Sei KIsaragiオフィシャルブログ


強迫性障害

2013.08.16 Friday[カウンセリングcomments (0)

とは京都第二赤十字病院、精神科、医師
国際医療福祉大学、医療福祉大学、上島教授監修。

どのような病気?
やめたい、意味がないとわかっていながら(自我違和感)
ある考えがいつまでも頭から離れない、ある行動を繰り返さない、
といったことがある。
強迫性障害の症状には(強迫観念)と(強迫行)があります。両方の症状が共存することが多いですが、強迫観念だけの場合もあります。
強迫観念とは、ある特定の考えやイメージが強迫的に、何度も繰り返して頭に浮かんでくることを指します。

強迫行為とは、強迫観念を打ち消すための行為で、自分の意思に反してやってくる場合が多く、強迫儀式とも呼ばれます。
例、強迫観念(手を洗ったのにまだ汚れている気がする)→-強迫行為(何度も繰り返し手を洗い続ける。)
強迫観念(本棚には45冊の本があるはずだが、そろっているか心配だ。)→強迫行為(本の数を何度も数え直して45冊あることを確認する)
また、トイレに行った後や汚いものに触れた後、必要以上に何回も手を洗ったり、衣服を洗濯したりする。
外出時にドアの鍵を閉め忘れてないか、ガスの元栓をしっかり締めたか、何度も確認してしまう。

4や9の数字、特定の数字に関連して不吉な考えが浮かび、不安に襲われる。
尖った物で自分や他人を傷つけてしまいそうで、ナイフやハサミ、コップなどの割れやすい物に近づかない。
これらは誰にでも起きることがありますが、そのために日常生活や社会生活に支障が出てくるようなら、それは強迫性障害という心の病気かもしれません。

強迫性障害の診断には、次の5つの質問が用いられることがあります。

1、手が痛くなるくらい、何度も手洗いを繰り返しますか?
2、鍵をかけたか、ガスの栓を締めたか、何度も同じことを確認しますか?
3、ばかげていると分かっていても、頭の中に繰り返し起こってきて振り払うことので きない考えがありますか?
4、一つ一つのことをやり終えるのに長い時間がかかりますか?
5、順序正しいことを左右対称であることにとらわれますか?

強迫性障害の発症原因はまだよくわかっていませんが、脳の中の神経間で情報伝達がうまくいかないことが原因の一つになっているようです。脳には私たちが生活をスムーズに行うための多くの情報が組み込まれていますが、その伝達が正しく行われなくなって、例えば(手が汚れているかもしれない)という不安な気持ちの情報伝達が過剰になり、強迫性障害の症状が現れるのではないかと考えられます。このような不安な気持ちの情報伝達には(セロトニン)という物質が関係していると考えられています。

強迫性障害の患者さんの脳内では、健康な人に比べてセロトニンの働きが足りなくなっています。

治療法。
強迫性障害の治療の基本として、薬物療法と行動療法があります。治療法の選択にあたっては、年齢や身体合併症の有無、症状の重さなど、様々な要因に応じて決められます。
また、強迫性障害はいったん治った後も、再発の可能性のある病気です。回復してからも長期にわたって治療を続け、再発を予防する必要があります。
薬物療法には脳内のセロトニンの働きを高める薬が使われます。これには、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)があり、日本では、強迫性障害の治療薬として承認されています。

効果としてSSRIは抗鬱薬としても使われている薬で、脳内のセロトニンの働きが高まります。これによって強迫観念、強迫行為の両方を改善します。
行動療法には様々な方法がありますが、その中でも(曝露反応妨害法)が強迫性障害に効果があると言われています。

曝露反応妨害法とは、患者さんを意図的に強い不安や恐怖に曝露して(曝露・直面)、それを解消するための強迫行為や儀式行為を行わせない(反応妨害・反応防止)状態にすることで、強迫観念と強迫行為を繰り返さないようにしていくことを意図した治療法です。
強迫行為なしで、不安感、恐怖感を長時間放置することによってこれらの感情に慣れていき、徐々に苦しみが減少していきます。

ご家族にできることは、早期発見。強迫性障害は、早期発見がとても大切です。患者さん自身が苦しんでいたり、ご家族のみなさんから見ても日常生活に支障をきたしている様子があれば、なるべく早く病院、医院に連れていってあげて下さい。

患者さんの環境。患者さんを取り巻く環境を整えてあげることも重要です。家族では安定した気分で、ゆったりとした雰囲気を保てるようにしてあげて下さい。
強迫症状の理解。自力では症状を止めてられないということを理解してあげることで、患者さんは安心して家族に相談することができるようになります。

強迫症状への対応。患者さんからは強迫行為を手伝うように求められる場合は、先生にも相談のうえ慎重に対応しましょう。強迫症状を止めるように注意することは逆効果になることもあります。あくまで、患者さんの症状を家族が心配していることを伝え、休養を十分にとるように勧めたり、病院、医院を受診するように勧めて下さい。

薬物治療に対する知識。強迫性障害のお薬は、脳の機能を調整するためのものです。また、強迫性障害のお薬は即効性のあるものではありません。効果が十分に現れるには数週間かかりますので、すぐにお薬を止めてしまったり、病院、医院を変えてしまったりすることのないようにして下さい。

強迫性障害は、きちんと治療すれば、治る病気です。
もし、自分や周囲の人が強迫性障害かもしれないと感じたら、まず、メンタルクリニック、病院の精神科や心療内科で受診してみましょう。



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